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2018年7月4日水曜日

機能レベルの類似


物事の類似性について(その5)

4) 機能レベルの類似
物事の機能とは、それが果たしている‘働き’を指します。
例として、‘鉛筆’の機能を考えてみましょう。鉛筆の果たしている働きは、まず、紙に字を書くことです。この働きを少し広げて考えれば、簡単に情報を記録することです。このように考えると、鉛筆とCDとは、情報を記録するという機能において類似性を持ちます。

何十年も昔のことですが、ある家電メーカの冷蔵庫担当の人から、‘いま、うちのライバルは同業他社よりもむしろコンビニストアーである’と打ち明けられたことがあります。たしかに、冷蔵庫とコンビニストアーは、食べたいときに食品をすぐ提供するという機能では同じです。そう考えると、缶詰もインスタント食品も冷凍食品も、みんな機能レベルで類似性を持つといえます。

工学を学ばれた方には馴染みのことでしょうが、機械の重さを支えるバネ、電気機器に使われているコンデンサあるいはものを販売するとき必要な在庫は、その機能は同じなのです。バネは外から加わった強い力を吸収するのに使われ、これが故に車は地面が相当デコボコでも運転手の乗り心地は保つことが出来ます。コンデンサも電流の流れを一時的に吸収し急激な電流の変化を均す役割を果たします。また、販売における在庫も、急激な需要の変化を吸収して安定した生産活動ができるようにするという役割を果たしています。いずれにおいても、急激な変化を吸収するという面で、同じ機能を果たしているのです。

機能レベルでものを考えるときの利点は、今現実に行われているやり方にとらわれなくなることです。今現実に行われていることは、与えられた機能を達成する多くのやり方の中のひとつに過ぎない。しかし、われわれは現実に実施されている方法にどうしても引っ張られるのです。

 たとえば、いつも通いなれた学校の庭に雪が積もったとしましょう。いつもある道が見えません。そこで、校門からまっすぐ校舎の入り口まで歩きます。しかし、それはいつもの道が見えていると、決して歩こうとする道ではないのです。



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