マンデルブロー集合(3)
係数kが整数のときは、繰り返し計算の内容は明確に定義されます。しかしkが整数でないとき、計算の結果いろいろな値の可能性が生じるのでどの値にするかを決める必要があります。それ故、kが実数のとき、得られる図は奇妙にゆがんだものになります。
kが整数のときは、図の形は調和的で曲線的です。しかしk が整数でなくなると、場所によっては直線的・幾何的なものになります。いずれの場合も、小さい部分を拡大すればそこに新しい形が現れ、場所により何が現れるかは予想ができません。
つぎに、kが整数でない場合の図をいくつかあげましょう。
係数kが整数でないとき、ある位置で現れる図形からは無機質な感触の不思議さを感じさせられますね。
我々が普通に経験することは連続な事象です。あることが起きればその近くでは似たものが起きるであろうと理性で信じかつ情緒的にこれを実感しています。すなわち、因果関係は連続的であり、これがゆえに安心しておられました。
ところがいま、そうでない世界もあることを具体的に目で見てしまいました。ギリシャのむかし、数学者の一人が無理数を発見したとき彼らはある種の不安を感じたことが想像されますが、いまマンデルブローの図を見て、それと似たような落ち着きのなさと驚きを感じませんか。
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