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2018年6月14日木曜日

一掬いの水




一口分の水にすべて印をつける。それを海に流し十分かき混ぜて一口分を
手に掬い取る。元の水の分子は何個ぐらい含まれているか。(思考実験)

 むかし、これに似たことをどこかで読んだ覚えがあり、ふと計算したくなりました。そして、その結果に新鮮な驚きを感じているところです。

分子の数は非常に多い。水の場合、H2Oの分子量は1×21618
いま一口の量を18グラムとしましょう。18グラムの水の分子の数は6×1023(アボガドロ数)です。この18グラムの水は、全地球の水の量のどれくらいの比になるかを概算してみます。

地球の半径をr(6370km)とします。すると、地球の面積は 4πr2です。
いま大雑把に地球の表面はすべて海として、その深さを1000mとしましよう。

すると、水の量Vは、  V=4πr2×1kiro

これをcmを単位として表すと、

  V=4π(6370×1052×105 ≈ 5×1023 cm3

一方、一口の水の重さを18グラムとすると、その分子数はアボガドロ数6×1023です。すなわち、一口に含まれていた全部の分子に赤色を付けたとすると、 

   海の容量5×1023cm36×1023個の赤色分子がバラまかれている

ことになります。手に掬った海水の1ccに含まれる赤色分子は、
   6×1023/5×10231.2

すなわち1です。

いま1ccに含まれる赤色粒子の平均を1.2個とすれば、118cc中の平均は概算20個です。この1口の水の中に印をつけた粒子が一つもないという確率を計算すると、10億分の2でした。
こう考えると、その昔インドでお釈迦様がお飲みになった水の1粒を、今私がコップで飲んでいる可能性はほとんど確実です。
悠久なご縁を感じているところです。




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